タモロコ東北新幹線
  
      ぼくの「はつかり号」と東北新幹線「はやて」+「こまち」
                          2006.8.17  宮城県栗原市


 毎年恒例の東北旅行に出た。今年は休みをまとめてとって(学校が夏休みなので休暇がとりやすいのです)、10泊11日の長旅である。長旅だから、いろいろなことができる。そこで、いつもは持っていかないフナ釣りの道具も車に積んだ。
 東北の田んぼは、稲の花がほぼ咲き終わり、穂が少し垂れ始めていた。その田んぼの横で釣り糸を垂れる。そして、線路のそばで。

 くりでん最後の夏

                くりはら田園鉄道最後の夏。  2006.8.17
 初めは、宮城県栗原市(旧・若柳町)の、くりはら田園鉄道へ。この鉄道は来年春に廃止が決まっている。だから、田んぼとのツーショットは今年が最後なのだ。
 釣りができて列車の写真も撮れる場所が見つからないうちに列車の時刻になったので、若い穂の波といっしょに撮った。
  
                        右下の水路は、釣りには細すぎ。  

 くりはら田園鉄道は、すぐそばで東北新幹線の下をくぐっている。新幹線がよく見える水路があったので、そっちをのぞくと、水面にメダカの群れ。ミミズをちぎってハリにつけ、竿を出してみた。(メダカをねらったのではありません。)結構深い。ウキが動いて上がってきたのは、小さなタモロコだった。
  
            小さなタモロコ。ハリは秋田キツネ2号なんですけど。
 そのあとも、アタリは全部タモロコなので、フナはあきらめて新幹線が通るのを待った。そして撮ったのが、一番上の写真。

 水田地帯は遊水地
 何しろ暑い。蒸し暑い。台風10号が九州近くにいて、北に前線があるので、南から東回りのしめった風が吹いている。それでも今度は岩手県南部の一関市へ向かうぼくである。
 2万5千分の一地形図の「一関」を見ると、市街地の北側に広大な水田地帯がある。そして東北新幹線がその上を高架で走り抜けている。その水田地帯の水路で新幹線を見ながらフナを釣ろうとしたのだ。
 ぼくは基本的に、新幹線よりもローカル線のほうが好きなのである。だが、東北新幹線には秋田内陸縦貫鉄道のサポーターになって以来、何十回も乗っているのである。とくに「こまち」には親近感を覚えてしまっているのである。それに、「こまち」の車窓からいつも眺めている、ここ一関の水田地帯が気に入ってしまったのである。そんなわけで、市内の喫茶店で昼食をすませて、「はつかり号」をこの水田地帯に乗り入れたのである。
 この水田地帯は、実は、北上川の氾濫に備えた遊水地である。一関は過去に何度となく北上川の氾濫に見舞われていた。岩手県北部から北上盆地を流れてきた川は、一関市街の東で、仙台平野との境目にある狐禅寺狭窄部に入る。洪水になると、狭くなった出口に水が殺到して、さばき切れずに溢れてしまうのである。1947年のカスリン台風、翌1948年のアイオン台風では、北上川と、一関市で右岸から合流する磐井川の水と土砂が市内を襲い、一関市だけで死者・不明573名という壊滅的な被害となった。そこで、建設省(当時)は一関市街地を高い堤防で守るとともに、洪水になったときに水を一時的にあふれさせる遊水地を造ったのだ。異様に高い堤防は、過去の被害の大きさを物語っている。
 
           高い堤防の向こうに広がる水田地帯。新幹線、見えますか?

 
          橋の上から。右は東北本線、遠くに一関市街。左が堤防。

 除草剤前線ついに岩手へ!
 何度もここで取り上げている、田んぼの畦への除草剤散布だが、宮城県や、ついに緑の畦の聖域・岩手県にも広がっていた。
 畦に除草剤を撒くと、畦の土がぼろぼろになっていくだけでなく、田園景観が破壊される。「緑一色の田んぼの風景」ではなくなってしまうのだ。「まじめな田んぼ」をキャッチコピーにしている岩手県なのに。
 それでも、新潟や埼玉、千葉、茨城あたりの田んぼよりは、散布割合はずっと少ないのだが、これまでほとんど見なかっただけに、ぼくの衝撃は大きく、蒸し暑さがさらに増したような心持ちになった。

 遊水地の田んぼの脇にも除草剤。ほかにも県内でたくさん見かけてしまった。

 やっぱりタモロコ
 遊水地の田んぼの水路で釣れたのも、やっぱりタモロコ。1尾だけモツゴ。残念ながらフナは釣れなかった。それでも、水路に魚の生息を確認しただけでも良しとしなければ。

 ここでタモロコが釣れました。向こうに新幹線の高架橋が見えます。

 ここではモツゴ(クチボソ)も。


 新幹線「やまびこ」の10両編成です。

 
  北上川を渡る「はやて」「こまち」16両編成。晴れていたらよかったのに。

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